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オピニオン・ランチャー社発売成功

オピニオン・ランチャー社発売成功
――亀井秀雄のチャージ(その4)――

○出版に成功
 昨日(2月4日)、楽天ブックスの電子書籍から、私の4冊の本が無事に出版された。
 全くの素人がマニュアルを見ながら、手探りで進め、はたして上手くゆくかどうか、不安だっただけに、無事出版を確認できて、ほっと安心した。正直なところいささか疲れた。

○難点が一つ
 ただ、1点、お詫びしなければならないことがある。
 楽天ブックス電子書籍用のタブレット、Koboの使い勝手がはなはだ悪い。もちろん各ページの紙面はきれいに表示される。だが、てきぱきと次のページへ移らない。次のページへ移る操作をすると、しばらく画面が真っ白になり、壊れたのだろうか?と思い始めた頃に、ようやく次のページが表示される。
 これは、電子ブックのもとになるEpubファイルが原因である。本当は、文字の大きさも行送り・改行も、読む媒体(機械)に合わせられるリフロータイプのEpubにしたかったのだが、InDesignで作成したファイルをEpubに変換したとたん、文字の太さも行間もあちこちでイメージしていたものと異なる上に、原版ではきちんとしていたはずのローマ数字が横倒しになったりと、ひどい状態になってしまった。「これは、ひとえに、InDesignの扱いにまだ慣れていない自分の技量のせいだ」と娘は反省していたが、しかしこれを直すには、また、〈文字スタイル〉や〈段落スタイル〉の設定など、細かいところを一から見直し、手を加えてゆかねばならない。それでは、いったい出版がいつになるか、見当もつかない。
 それでも娘が工夫を重ねて、フィックス(固定レイアウト)Epubに変換し直してみたところ、何とか見た目だけは狙い通りになった。とりあえず、これでいってみようと、楽天ブックスにアップロードし、それ自体はうまくいった。ところが、上に述べたように、このタイプのEpubだと、Koboでの表示にやたらと時間がかかってしまう。これでは、よほど辛抱強い人でも、読み通す気がなくなってしまうだろう。なんとも申し訳ない。

○解決法
 ただし、解決法がないわけではない。お手元のパソコンかタブレットで「楽天Koboアプリ」を検索していただき、ダウンロードしていただければ、やや文字は小さめではあるが、普通に表示され、ページめくりにもそれほど時間はかからない。iPadのように割とパワーのあるタブレットなら、おそらく指でのピンチアウト(拡大)もスムースに出来るだろう。Koboよりも、かえってこの方が使い勝手がいいかもしれない。
 
 一方で、お手元のiPodやiPhone、スマートフォンをつかう方法もあるが、なにぶんにも画面が小さすぎる。最近のスマートフォンなら大きめに出来ていて何とかなるかもしれないが、あまりお勧めはできない。

○「縦書き」に特化したソフトを
 なぜ、こんなことになってしまったのか。たぶん電子書籍のソフトを作る人たちは、「横書き」を前提にしているからだろう。
 私たちは、当初、アマゾンのキンドル版で出版することを考えていたのだが、アマゾンはアメリカの会社だから、キンドル版向けのEpubを作るとなると、どう情報を検索してみても、こぞって、「横書きの方が作成が楽」という話になっていた。が、娘が札幌のパソコンスクールで短期の〈InDesign講座〉に通って、InDesignソフトで何とか縦書きの電子書籍を作ることができるまでになり、去年の暮れまでには「版下」が出来ていた。

 だが、キンドル・ダイレクト・パブリッシング(以下キンドル)に登録しようとしたところで、大きなつまづきが待ち構えていた。
 アマゾンはアメリカの会社なので、ただ普通に登録して出版しただけだと、日本からもアメリカからも税金を二重取りされてしまうことになり、結果、著作権料がほとんど消えてしまうことになりかねない。だから、キンドルに登録する際には、アメリカの方で免税が受けられるように書類を出さなければならないし、たいていは、アマゾンのサイトでキンドル登録をしてゆく過程で、その書類の書式もダウンロードできる仕組みになっている(ただ、その後もそれを郵送しなければならないとか、面倒な一手間二手間がまだあるが)。
 ところが、その目的の書類書式のダウンロードページに、どうしても行き着けない。

  原因は、わがオピニオン・ランチャー社が〈合同会社〉だからである。合同会社は、設立条件については比較的ハードルが低く、立ち上げやすい会社形式であるが、これは、日本の場合、普通に〈会社〉のカテゴリーの中に入る。しかし、アメリカでは、この合同会社(Limited Liability Company) は他の会社と違い、パートナーシップ(組合)と同じような扱いになるという(他にも課税方法の違いなどあるらしいが、細かいところはよくわからない)。つまり、提出する書類の方も、個人出版とも株式会社出版とも別形式になるようなのだ。
 しかし他方、こちらは日本の会社なのだから、〈日本で営業しているので免税してほしい〉という書類を第一に出さなければならない。だが、肝心のその書類がダウンロードできない。ネットを検索しても、ガイドブックの類いを読んでも、基本は〈個人出版のすすめ〉であり、そうでなければ株式会社のみを念頭においているので、合同会社のことは一言半句出てこない。困じ果ててアマゾン・ジャパンに問い合わせをしてみたが、そういう事は専門の税理士に尋ねてください、という内容の返事しか返ってこなかった。

 そこで急遽、今年に入ってから楽天ブックスに変え、こちらは日本の会社だから、条件その他の説明が分かりやすい。ただ、楽天Koboの〈ライティングライフ〉を立ち上げた人たちも、最初に念頭においていたのは「横書き」中心の表記だったのだろう。時代の趨勢は「横書き」へ向かっているという判断なのだろうが、やはり日本文、特に昔の文章の引用部は、「縦書き」でないとはなはだ読みにくいという事情がある。ルビや圏点、傍線やゴチック体なども表記には必須だ。そこで、多少高機能すぎるかも知れないソフトを使ってでも、縦書きの画面を作ることにチャレンジし、何とか成功(?)はしたわけである。
 ページめくりに、Koboタブレットの反応が鈍いのは、固定レイアウトEpubが画像に近い(つまりデータサイズが大きめ)という理由もあるのかも知れないが、以上のような「縦書き」に対応する機能がお粗末なためではないか。そんな気がしてくる。

 Koboタブレットの制作者がその種の問題に目を向けて、使いやすい対応ソフトを開発するなどの環境改良をしてくれる。そのことを切に期待している。もしそれを怠るならば、別な会社が縦書きの日本文のために機能を特化したソフトを開発し、まだまだこれから需要が増えるだろう「縦書き日本文」のマーケットを席捲することになるだろう。

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