甲子園・2006年夏(8)
確かにベスト8の戦いは……
○悪くない勝ち方
昨日は小樽へ出て、野球は見られなかった。ただ、早稲田実業と福井商業の試合は、小樽までラジオを聞いていたが、4回を終って0対0、斉藤は毎回ランナーを出して、少しあっぷあっぷしている感じだった。
しかし夜、帰宅してスコアを見ると、7対1の大差で、早稲田が勝っていた。
今日の準々決勝の2試合は、いずれも見ごたえがあった。
駒大苫小牧の田中が立ち上がりが不安定で、今後に不安材料を残してしまったが、攻撃のほうでは、1チャンスで4点差を詰め、次の回で1点を取った。この勝ち方は悪くない。こういう勝ち方が、チームに落ち着きと自信を与える。
○おっせかいプレー
ただ、東洋大姫路と駒大苫小牧の試合について、細かいことを言えば、東洋大姫路に二つ、見えない敗因があったと思う。
一つはファースト・岡の守備で、今日は自分でもびっくりするくらい身体が軽く、打球に対する反応がよかったのだろう。それがある意味では裏目に出てしまったわけだが、まず駒沢の初回の攻撃、先頭打者の三谷の打球は1、2塁間の平凡なゴロ。それを岡が飛び出しよく、2塁手の前に入って、軽快に捕球する。だが、ピッチャーのベースカバーが遅れ、内野安打にしてしまった。
「あれはね、ゴロの処理は2塁手に任せて、自分はベースについているべきなんだよ」。そんなことを言って見ていたのだが、同じプレーが7回裏の守備に出て、これが駒沢に勝ち越しの1点を与える結果となった。
この時は、駒沢は2アウトながら、ランナーを3塁に置き、打者は同じく三谷。打球は打ち損ね気味に1、2塁間に転がり、東洋大の投手・乾にしてみれば、「打ち取った」はずだった。ところが、やはり岡が「ダッシュよく」捕球したのだが、乾のベースカバーが遅れて内野安打にしてしまった。
2塁手の吉川が駒沢の強打を警戒して、定位置より後方にポジションを取っていたためかもしれないが、私には1塁手・岡の「おせっかいプレー」に見えた。
8回裏の守備でも同じようなプレーがあったが、この時は岡がランナーと駆け較べでファースト・ベースに飛びつき、辛うじてアウトにすることができた。
○水を差す三振
もう一つは、乾の消極的な攻撃姿勢。7回表、東洋大は1アウト、ランナー1、2塁というチャンスを掴んだ。ここで1点取れば、同点となり、流れが東洋大に来る。
そういう重要な場面だったが、バッターの乾は、バントでランナーの塁を進めるのか、バントの構えから強振してヒットを狙うのか、判断に迷っている様子で、カウントを悪くし、結局三振に終ってしまった。
「まあ、内野ゴロでダブルプレーにならなかっただけ、まだマシかな。監督にして見れば、そう割り切るしかないだろう」。あるいは監督に迷いがあったのかもしれないが、ともあれ気合の入らない、この乾の三振が、チーム全体の押せ押せムードに水を差したことは間違いない。続く打者は内野ゴロに打ち取られ、東洋大姫路は再逆転のきっかけを掴むことができなかった。
○神がかりの大逆転に再逆転
帝京(東東京)と智弁和歌山との試合は、すさまじい打ち合いだった。念のため、スコアをあげておく。
帝京 000 200 028 12
智弁 030 300 205 13
帝京が4点を追う、9回の表、シングル・ヒットをつないで逆転し、最後は3ラン・ホームランで、逆に4点差とした。鋭い当たりの連続というより、運のいいヒットが続く。そこに私は、帝京のしぶとさとツキを見て、「これで勝負あったな」。
ところが、9回裏にマウンドへ上がった勝見がストライクを取れず、ランナーを2人ためてホームランを喫し、「さあ、これで分らなくなった」。
帝京の前田監督は、勝見から杉谷に代え、さらに岡野に代えて逃げ切りを図ったが、いずれもストライクが取れず、1アウト満塁、最後は押し出しのフォアボール。岡野の呆然とした表情が印象的だった。
せっかくの4点差を守りきれなかった、帝京3人の投手。本人もつらいだろうが、あの場面を見ていた両親や兄弟もいたたまれなかっただろう。
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