2009年WBC&選抜高校野球(その3)
○胸が合う
WBCの時の原監督が、何度も「胸と胸とをつき合わせて」という言い方をしていた。妻と娘が、「何だか、ちょっとイヤな感じゃない」と笑っている。
「まあね、相撲で、双方ともに両まわしを取ってガップリ四つに組んだとき、胸が合うって言うだろ。原監督としてはそう言いたかったんじゃないか。……政治家でも時々変な言い方をする人がいるよネ。『膝を交えて話し合う』なんて。……そういう言い方、全くないわけじゃないけど、何だかアヤシイ関係みたいで、聞こえがよくない。『膝をつき合わせて』っていうのが無難だろうな」。
閑話休題。昨日の準決勝は仕事で小樽に出ていたため見ることはできなかったが、今日(4月2日)の決勝戦、清峰と花巻東の試合はまさに「胸が合った」戦いだった。
両校の投手ともコントロールが安定しており、両チームとの積極的に打って出て、テンポがいい。
清峰がやや押し気味に試合を進めているが、花巻東のライトのファインプレーによるダブルプレーなどに阻まれて、チャンスを生かすことができない。特に4回表の清峰の攻撃のとき、清峰にとってはランナー2人の好機。花巻東にとってはエラーのランナーを2塁においての、いやなピンチ。花巻東の菊池投手が力投して、清峰の左打者を連続三振に討ち取った。
これで流れは花巻東に行くかな。と思ったが、清峰の今村投手が花巻東につけこむスキを与えず、結局7回表、花巻東の菊池が不用意に出したフォアボールのランナーを、清峰の9番・橋本が2塁打で帰し、これが決勝点になった。
両チームの投手が如何によかったかは、ロングピットはこの1本だけだったことからも分かる。
春の決勝戦は意外に大味な試合に終わることが多いのだが、中身のつまった好ゲームだった。
○WBC。予想通りも予想外の苦戦
もう旧聞に属するが、2月24日(アメリカ時間では23日)に行われたWBCの決勝戦は5時間に及び、見ていて疲れた。
「日本がね、6対2か、7対2くらいの、意外な大差で快勝するだろう。もし負けることがあるとすれば、1対2くらいの接戦かな」。試合前はそんな予想を立てていた。
日本はキューバに2度、0封で2連勝し、アメリカにも快勝して、打線の調子が上がっていたからである。それに対して韓国はヴェネゼラに10対2と大勝をしたが、初回5点、2回に2点を取って、いきなり7点差。以後は、戦意を失ったヴェネゼラを相手に、消化試合ふうな戦いになったらしい。そういう大味な試合のあと、日本の投手を相手に点を取ることができるかどうか。もし点が入るとすれば、日本の投手が不用意に投げた甘い球をホームランした時だろう。
事実、試合は私の予想通りに進んでいったのだが、日本の若手選手がフォアボールを選び、ヒットを打つのだが、なかなか点に結びつかない。城島と小笠原が4番と5番の役割を果たさないためだった。2人が1回ずつでもクリーンアップの仕事をしていれば、前半で3、4点は取っている展開だったのだが、なんと! 5回の攻撃は、中島がフォアボールを選び、青木がヒットを打って、折角チャンスを作ったのに、城島が三振、小笠原も三振。「ヴェテラン、ヴェテランと言うけれど、劣化が始まってるんじゃないか」などと悪口を言っていると、そのウラ、韓国に同点に追いつかれてしまった。
小笠原はその後も、三振を続け、「何だか、この人がガムを噛んでいる横顔は、駱駝さんみたい」。「ホント、ガム噛んでる顔ばかりアップで映り、苛々してくるな」。
延長10回、イチローのヒットで2点勝ち越し。なおも中島と青木でチャンスを広げたが、城島が三振。「こんな調子では、マリナーズに帰っても、控えのキャッチャーに回されてしまうぞ」。
○ダルビッシュの使い方に疑問
今回のWBCは松坂、岩隈、杉内、青木、内川、中島、片岡、村田で勝ったと言っても過言ではないだろう。
川崎と涌井をもっと使ってほしかった。
原監督の功績は、抑えの馬原と藤川を諦めたことだろう。対アメリカ戦で、杉内のロングリリーフをさせたのは正解だった。対韓国戦では、杉内の後は涌井ではないか、と思っていたが、ダルビッシュだった。ダルビッシュの投球が安定していないのは、前の韓国戦で分かっていたはずである。
この韓国戦の日は、私は小樽文学館に出ていたので、試合を見ることはできなかった。ただ、ちょうど昼休みに試合が始まり、ラジオで聞いていると、岩村のまずい守備や、岩村と片岡の連携プレーにミスがあったらしいが、ダルビッシュ自身、ボールが先行して、独り相撲になっているらしい。その様子が、アナウンサーや解説者の声から伝わってくる。結局、初回に3点を献上してしまい、初回のウラ、日本はなす術なく0点。そこで昼休みの終わりが近づき、私はラジオのスイッチを切った。
それだけでなく、私がダルビッシュに安心感を持てなかったのは、対中国戦の印象が悪かったためでもある。どこか傲ったような表情で、城島のサインに首を横に振っている。不用意なフォアボールが目に付く。「これじゃ駄目だな」。
それやこれやで、韓国との決勝戦で、抑えにダルビッシュを使うことには疑問があった。案の定、9回の表、ダルビッシュで同点に追いつかれ、もしもう1点取られていたら、原監督の責任が問われるだけではない。ダルビッシュも立ち直れなかったと思う。
と、ここまで書いたところで、今日(4月3日)は日本のプロ野球の開幕戦。札幌ドームでは、ダルビッシュと岩隈の先発で始まったが、1回表の立ち上がりで、ダルビッシュはいきなりツーランホームランを喫し、楽天にまず3点を献上してしまった。その後、日本ハムは1点を返したが、3対1で楽天の勝利。明日、楽天は田中を出して来るだろう。(4月3日)
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